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メモ
有限要素法特有の誤差,ロッキングの一般的な説明です。
ロッキング
アイソパラメトリック要素を用いた変位型の有限要素法では保証されていますが,要素積分 (たとえば完全積分) により,剛性を過大評価することが知られています。すなわち,これは有限要素法に基づく離散化手法固有の現象と言えます。これを回避するためには次数低減積分 (reduced integration) や選択型次数低減積分 (selective reduced integration) などの工夫がなされます。また,以下でわかるように板厚が薄くなるとロッキングが顕著に現れます。

ここでは,参考文献 a に基づいて,ロッキング現象について解説します。説明の便宜のため2次元4節点アイソパラメトリック梁要素を用いますが,一般性は失いません。

この梁要素の内部ひずみエネルギは

となります。この梁がつぎの図

のように変形したとすると,上の式は

(*)

ただし,

(**)

と書き下せます。有限要素法の離散化をは,このエネルギが停留するように行われます。なお,ここでは,梁要素そのものの解説ではありませんのでこの式の導出の過程は省略しますが,文献 a,p118-121,210-224 に詳しい解説があります。

ここで,式 (*) の右辺の積分において,第1項,第2項にに寄与するはそれぞれ,この要素の

体積ひずみ:
せん断ひずみ:

で,体積ひずみは板厚 a に比例,せん断ひずみは a に無関係です。板厚が大きいときは体積ひずみは大,せん断ひずみは小ですが,板厚が小さいときは逆にせん断ひずみが大きくなります。a→0 の極限では (**) の逆数 1/ρは無限大に発散しますから,せん断ひずみの項は 0 に収束する必要があります (これは,変形前に中立面に垂直だった法線は変形後も中立面に垂直であることを課す,梁理論におけるベルヌーイ・オイラーの仮定または薄板の理論におけるキルヒホッフの仮定に対応します)。

ところが,せん断ひずみの表現において u は1回微分されているわけですから近似多項式の階数が1つ落ち,結局θの精度が落ちることになります。これがロッキング,くわしくはせん断ロッキング (shear locking) です。

参考文献.

  1. 久田俊明,野口裕久,非線形有限要素法の基礎と応用,丸善,1995.
  2. K. J. Bathe, Finite Element Procedures, Prentice Hall, 1996.
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